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演劇

イッセー尾形「イッセー尾形の初笑い2011 in 大阪」

今年も24分の1が終わったところで、今年初めての書き込みで申し訳ない。改めて、今年もよろしくお願いします。

先週の9日(日)、サンケイホールブリーゼでのイッセー尾形の公演「イッセー尾形の初笑い2011 in 大阪」を観に行った。前回、イッセー尾形の公演を観たのは2004年1月の近鉄小劇場だったので、7年ぶりになる。

午後2時の開演から2時間20分ほどで8本ほどのネタ。1番始めのネタが女子中学生でかなり驚いた。学校からの帰り際に、普段親しい男子から告白される女子中学生なのだが、前半は口調など今どきの中学生のリアリティをちゃんと押さえつつ、後半になると「そんなん実際にはおらんやろ」みたいなネタ的な要素を多分に入れて笑いをとるという構成。確かに、今の女子中学生は友達とかに“女の子言葉”でしゃべったりしない。そういう人間観察がきちっとあってそれを見せてるからこそ、空想の部分が活きてくるんだろう。50代の男性が女子中学生に扮したら“出落ち”になりそうだけど、見た目以外のところに説得力があるから、次第に女子中学生に見えてくる。

また、演じているキャラの情報量の多さも印象的だった。2本目のネタは、ビートルズのコピーバンド。最初はマッシュルームカットでビートルズっぽい格好をしている男性がいて、そのかたわらにベースギターが置いてあるだけ。そこから会話や身振り手振りを通していろいろなことがわかってくる。最近、演奏前の前振りが長いのは、観客からのヤジに前もって言い訳するため。ライブハウスの店長の思いつきで、特に思い入れのないビートルズのコピーをしている。ネタ的にビートルズのコピーをしているのに、来る客はなぜか本格的なコピーを望んでいる。そしてどうもこのライブハウスは東北の地方都市っぽい。などなど。この、だんだんわかってくる過程も観ていておもしろい。

個人的に好きだったのは、大学教授のネタ。大学の採用面接のために泊まったホテルで、バイキングの朝食を食べている、気難しそうな初老の大学教授。大事な面接前なので落ち着いて食事をしたいのだが、同じバイキングの会場にお受験の母子たちがたくさんいるために周りが気になって仕方がない。そこで、母子やホテルマンにかみつきまくるのだが、そのうちにその大学教授の哀愁や弱さが見えてくる。でも、最後は前向きに終わる。人間の2面性が極端に表現されつつも、それだけでは終わらないところが良かった。

久しぶりにイッセー尾形の公演を観たけど、おもしろさや感心する部分は変わってなかった。また、歳をとっても女子中学生をネタにするアグレッシブさはすごいなと思った。「これだ」と思ったものをやり続けている人の凄みも同時に感じた。ワシもこうありたいと思った。いや、一人芝居をしたいとかじゃなくてね。